大賀ホールから一夜明けた日曜日の午後、崔宗宝さんの自宅にてガーデンコンサートが開催されました。ホールコンサートとは対照的に、くつろいだ雰囲気、オープンエア、ビールにバーベキューという、こちらの方がむしろ「納涼コンサート」の名前にぴったりな催しになったのではないでしょうか。
自宅と言えばホームパーティーのようなアットホームな雰囲気を想像しますが、崔さんの家ははっきり言って「城」、つまり「キャッスル」なんです。樹々に囲まれた庭もまた広大で、100人くらいなら集まれそう。
お客様は庭のウッドデッキに並んだ椅子に座り、ステージに見立てた2階テラスから降り注ぐ生演奏に酔いしれるという趣向は、まさに別荘地軽井沢ならではです。準備は午後から始まりましたが、例によってすべてが行き当たりばったり。
催しは夕方なのかと思いきや、首都圏からのバスツアーが帰途につくまえにここへ立ち寄ることになっており、そこで合唱を披露するから伴奏をとのご依頼。
そのリハーサルにも付き合い、2度の本番に付き合い、ついでだからソロも弾けとのことで3曲×2ステージ、さらに崔さんも歌うことになり、伴奏を。
ステージに立ってからの会話はこうです。「何歌うの?」「アメージンググレイス」「楽譜あるの?」「弾けるでしょ、適当でいい」「は?まあいいや、何調?」「F2回でG1回」「3番までってこと?」「うん」、で打ち合わせ終わり。
適当にオルガンとギターの音をポンポンってセットして、仰せの通り適当にイントロからスタート。まあ、なんとなくいい感じになりましたけど。
そうこうしているうちに、ガーデンコンサートのお客様もちらほら。18:30はちょうど夕暮れなので、新世界より第2楽章から演奏開始。3曲弾いて、お食事タイムとのことでしたが、無音になると寂しいので、そのまま軽く弾き続けました。
大賀ホールにも出演し、翌日にサロンコンサートを控えたヴァイオリニストの陳金さんがたまたまいたので、飛び入りで弾いてもらうことになって、「チャルダッシュ」と「リベルタンゴ」をノリでご披露。
すると崔さんたちも盛り上がって、ソロやデュオ、トリオと歌合戦に。私は酒場の伴奏ピアニストかいなという扱いでしたが、広い空とアウトドアの雰囲気が自由な翼を与えてくれ、楽しく弾きました。
いよいよ大カラオケ大会かと恐ろしくなったところで、ポツリポツリと雨が。これを合図に撤収し、私は運搬車に乗って、そのまま帰京となりました。
アウトドアとエレクトーン、最高の相性です。想像してみてください。鳥や虫の声、木々を揺らす風、それしかない庭に降り注ぐクラシックの生演奏を。もはや「軽井沢国際音楽祭」という名前を付けたいくらいに、上品で開放的でした。
写真:上田海斗





