大河の一滴

ラ・フォル・ジュルネ2026(以下LFJ)の開幕が目前に迫り、会場では準備が急ピッチで進められている中、姜建華さん公演のリハーサルがあり、参加してきました。

この大規模な音楽祭に過去にエレクトーンが登場したかどうかは知りませんが、私にとっては初のLFJであり、今年に限れば唯一のエレクトーン奏者として、名だたるアーティストの中に名を連ねていることを誇らしく思います。

とはいえ、私の出番はわずか1コマの45分。うち、4曲のアンサンブルと1曲6分のソロと、ごくわずか。それでも、一出演者としてきちんと細かい配慮がなされ、楽器の手配や公演のアシストなど、手厚くサポートしていただいています。

次々と公演が組まれ、展開と進行が目まぐるしい音楽祭では、楽器の搬入出や設営で遅れをきたすことは許されないので、ヤマハと主催者の協力により、事前に綿密な段取りをしました。

公演当日は、前の公演が終わってから20分以内に搬入とセッティングを完了させる必要があるため、今日のリハーサルはその搬入出のためという目的もあったのです。

演奏に関しても、いろいろと不安がありました。というのは、とてもお忙しい姜さんとはなかなか落ち着いて話す機会がなく、結局、昨年の仙台クラシックフェスティバルの終演以来、とても久しぶりに顔を合わせました。

知らない曲のピアノ譜をメールでいただき、お任せしますと言っていただけるのは、信頼されていればこそですから光栄なのですが、「神田さん、そうじゃないのよね」という事態になったら、今からではもう修正が利かないところが怖いわけです。

というわけで、今日も好き放題に作ってリハーサルに臨んだのですが、概ねよしということで、やっと生きた心地を味わっている次第です。

ただ、姜さんならではとも言うべき、中国人でなければ表現できない独特の節回しや息遣いを、私は半年のブランクでちょっと忘れており、その点でリハーサル開始直後は姜さんに付いて行けませんでした。

そこが損なわれれば、ただの演奏になり、姜さんの世界ではなくなります。本番のガチ中華が、街中華になっちゃう!と必死で感覚を思い出したら、終盤にはすっかり流れを取り戻せました。

ともあれ、エレクトーンをご存じない環境での演奏は楽しいものです。エレクトーンを、というより、神田将をご存じないという方が合っているかもしれませんが。

音響的にどうなるんだろうとか、そもそもシンプルな弦楽器ソロと電子楽器のオバケを、どうやって心地よくまとめたらいいのかと、スタッフの皆さまには見当のつかない不安を強いていることが多々あります。

そのためあらゆる対応をできるよう万全な構えをしてくださるのですが、実は私は自分ですべてをコントロールできるので、特段の対策は不要でして、それがかえって肩透かしみたいになることもしばしば。でも、何かあれば皆さまが助けてくださる。その構えに安心を与えられています。

本番は5月3日、東京国際フォーラムにて。多くの人が集まるイベントですので、お祭り気分で楽しみます。

https://www.lfj.jp/lfj_2026