晴れた日のガーデンテラス ファヌアン ザ・ナハテラス

上海から成田経由で沖縄へ来ました。興味深かったのは、成田那覇便。軍の関係者なのか、客はアメリカ人ばかりで、異国情緒たっぷり。とても国内線とは思えない雰囲気でした。

到着翌朝、雨の予報だった沖縄は想定外の晴天に。気温は24度まで上がり、カラッとした空気がまたとない爽やかさを感じさせてくれます。こんな日は、庭を眺めるテラスでのランチが最高です。

次々と新しいホテルがオープンする那覇で、別格の心地よさとエレガンスを保ち、多くの人から絶大な人気を誇っているザ・ナハテラス。シンガポールのラッフルズや、バンコクのマンダリン・オリエンタルほどの歴史はなくても、街の中での格という点では共通しています。

那覇空港に降り立つやいなや感じる沖縄のにおい。ホテルまでの道のりも見慣れた懐かしさ。でも、ああ、帰って来たなと思えるのは、ナハテラスのある丘に向かう坂に差し掛かった時なのです。

お帰りなさいませ。何時ごろご到着なのかなと思いながらお待ちしておりました。そんな風に迎えられると、はるばる飛んできてよかったなとしみじみ感じます。

さて、ファヌアンでのランチ。たくさんのお客さんで賑わっています。多くは地元の方々でしょうか。ちょっとおしゃれして、ゆっくり食事を楽しんでいるようです。

ひとりきりで来ている寂しい人は私だけ。でも、気にしない、気にしない。それ以前に、周りの皆さんも私のことなんて気にしていませんけどね。ブッフェが人気のようですが、せっかくの心地よさの中、席を立ちたくなかったので、フルサービスのシェフおすすめコースを選びました。


鮮魚のカルパッチョ キャビアビネグレット。係の女性が魚の名前を教えてくれたのですが、沖縄語でよく聞き取れませんでした。脂ののり具合からして、旬の魚のようです。ビネグレットの酸味が爽やか。海ブドウも沖縄チック。


パンは3種類出て来ました。中でも気に入っているのが、リージェント時代から受け継がれている×印型パン。私はヒトデちゃんと呼んでいます。


スープはミネストローネ。丁寧にダイスカットした野菜がたっぷり。シンプルなスープですが、上品な味わいです。


メインディッシュは牛のみすじ肉のポワレに、フォアグラのソテーを載せたもの。濃厚なジュが料理の完成度を一層高めています。


サイドサラダはガラスの器で涼しげに。新鮮なトマトが輪になって踊っています。


デザートは苺のムースの中に、シークァーサーのムースが入っている、ダブルドーム。見た目はシンプルですが、一口食べてビックリ。めちゃくちゃ美味しいです。ヨーロッパのお菓子という感じ。


食後のコーヒーをゆっくり飲みながら、ここの料理について考えました。安全で品質のよい食材と丁寧な調理。その上、日々精進していることが、料理の味によく表れています。モダンで独創的な料理ばかりがもてはやされていますが、こうしたオーセンティックな料理の価値も見直されるべきかもしれません。

食事の後、あまりにも気持ちがいいので、どうしても海を見たくなりました。タクシーに飛び乗り、どこか海へと一言。誰もいないビーチを隅から隅まで走り、深呼吸。こうした素晴らしい体験から得たものは、すべて演奏を通じて皆様にお届けします。