にっぽん丸探検

午前中の新幹線で名古屋へ。接岸し、お客様を迎える準備が刻々と整いつつあるにっぽん丸に、わくわくしながら乗船しました。これから2泊3日の船旅がスタートします。

私は演奏家として乗船するので、立場はお客様とスタッフの中間です。第一の役割はお客様を楽しませること。でも、私自身も楽しんで、その気持ちをそっくりお客様にお届けするようにしたいと思います。

お客様の乗船は午後5時からですが、私はリハーサルや打ち合わせのため、午後2時に乗船。まだお客様のいない船はひっそりとしていますが、飾られた花の香りや、接岸中とはいってもかすかに感じる揺れが、船旅気分を盛り上げてくれます。

2階フロントでチェックイン。乗船券と引き換えにルームキーを受け取ります。3階にはツアーデスクもあり、寄港地の情報が得られます。船体中央付近に1階から7階までを貫く3基のエレベータと、華やかな階段があります。

私はコンフォートステートというカテゴリーの客室を使わせてもらっています。ツインベッドとソファ、ライティングデスクにクローゼット、シャワーと洗浄機能付きトイレ、洗面台など、ホテルと同等の設備が整っています。

コンパクトながらも、収納はたっぷり。レイアウトの工夫により、狭苦しさはまったく感じません。これなら長い航海に出る場合でも快適です。豊富なアメニティや清潔なタオルも用意されています。海向きなので、窓からの海原も眺められ、いい感じ。冷蔵庫には無料の飲みものもあって、至れり尽くせりです。

打ち合わせを済ませたら、早速船内の探検に出発。お客様の乗船前なら、お邪魔になることもありません。船内はとても広いので、何階にどんな設備があるのかを把握するのも楽しみのひとつ。見知らぬ街をそぞろ歩く感覚です。

レストランやラウンジは複数用意されており、ラウンジではフリードリンクや軽食を楽しむことができます。午後にはアフタヌーンティも。サンセットタイムなんか、特に素敵でしょうね。

ラウンジの一角に、こんな和室を見つけました。船の上でお茶会も出来そうです。日本の船ならではの設備ですね。

ライブラリーには多数の蔵書があります。3日間の旅では、他にもたくさんの楽しみがあって、本を読むまでは駒が進みそうもありません。ゆったりとしたソファに腰掛けて、太平洋のど真ん中で冒険小説を読みふけったりすることを、せめて想像してみましょう。

最も私の興味を引いたのは、壮麗なドレープが掛かる廊下の壁を埋め尽くす寄港記念のプレートたち。寄港地によってデザインがさまざま。懐かしい港や、まだ見ぬ港など、ひとつひとつに見入ってしまいました。

最上階には陽が降りそそぐプールがあり、温水なのでオールシーズン泳げます。プールサイドにはデッキチェアやリビングセットが並び、リゾート気分でカクテルを傾けたり、気ままな時間を過ごせそうです。

船内には、居心地の良いラウンジがたくさんあります。

他にもジムやスタジオ、ムービーシアター、大浴場、カジノ、鮨カウンター、スーベニールショップなどが揃っています。そして忘れてはいけないのが、私たちが演奏会をするドルフィンホール。先ほど下見しましたが、いい感じです。それはまた明日ご紹介しましょう。

今夜はお客様と一緒にディナー。その後はオープンデッキでお月見パーティーがあり、ツァオレイの二胡演奏も披露されます。今夜は、私の出番はないので、乗船客気分を満喫したいと思います。