上海文化広場1周年

ジャカルタから深夜便で成田に着き、そのまま飛行機を乗り継いで上海に来ました。浦東空港では、高松から来る弟子と合流するため、2時間30分のウェイティング。あえて到着ロビーのベンチに座り、行き交う人々に溶け込んで過ごしました。

売店で買った4元の茉莉花茶と5元のパン。茶のオリエンタルなパッケージに強く惹かれました。これらをパブリックスペースで広げて口にするなんて、私には冒険中の冒険です。

最初にお知らせしておきたいのは、1日ほど上海で過ごした実感では、まったく安全に問題はなかったことです。空港ロビーにいても、街中を歩いていても、カフェやレストランに入っても、私が日本人だということは明らかなのに、敵視されることも、からかわれることも一切ありませんでした。

ちょっと目立つ日本人がいるからといって、特別意識されることもなく、まったくいつも通り。報道が報道だけに、なんとなく身構えてしまいますが、だからこそ中国の皆さんから受けるさりげない親切が余計身に沁みます。

今回の宿は、4月の文化広場コンサートの際に泊まった錦江飯店。広大な敷地に豊かな緑、そして古い面影と近代的な摩天楼が同居する眺めが、上海エレガンスを感じさせてくれます。

文化広場は開館1周年を迎えました。今年に引き続き来年にも私の演奏会を考えてくれており、今まさに内容と演出を考案中。その参考にと、1周年記念の催しに招待されてやってきたというわけです。

記念演奏会は約1週間に渡り、13回上演されます。日曜日の夜は19時30分開演。劇場前の広場には色鮮やかな噴水があり、訪れる人を出迎えています。敷地内は公園として解放されており、夕方の体操をするパーマネントヘアのおばちゃんたちがたくさん。オールド上海を彷彿とさせる風景です。

劇場正面玄関からいざ館内へ。グリーティング担当のエグゼクティブが出迎えて、VIP用のボックスバルコニーへ案内してくれました。ボックスには大理石のトイレも備わっています。

時間通りに幕が上がりました。その瞬間から圧倒されっぱなし。円形舞台がせり上がってきたり、オーケストラを載せたアイランドステージ全体が前後に動いたり(しかも音もせずに!)、舞台下から大きなプールが出現したりと、もはやサーカスの域です。ユーミンのシャングリラもこんな感じなのかな?

歌手は世界的トップスター4人に加え、総勢30人のシンガーたちが歌って踊っての華やかなショーを繰り広げます。キッズシンガーやオーケストラを入れれば総勢100人ほどの出演者が、次々と全28曲を演奏。歌も素晴らしかったです。特に、ケリーエリスのウィキッドはゾクゾク来ました。

こんなにものすごいのを見てしまって、私が何を出来るのかと小心に。でも、この見事な音楽会と比較しても、私が胸を張れる部分がないわけではありません。せっかくのチャンスです。体当たりで練り上げて見せます。

終演後はツァオレイも一緒にカフェレストラン1931へ。弟子に中国語の指導をしてくれるなど、今夜はやさしい兄のツァオレイでした。