ベンガワンのインドネシア料理 ケラトン・アット・ザ・プラザ

ジャカルタの最新ラグジュアリーホテル「ケラトン・アット・ザ・プラザ」にある唯一のダイニング「ベンガワン」では、ホテルゲストとレジデンスに住む人たちのために、インターナショナル料理とインドネシア料理を提供しています。

このケラトンはもともとパークハイアットになる予定でしたが、リーマンショックの影響で、2009年にビルが完成したきり、中断したままになっていました。

パークハイアットは、51階建てのタワーにホテル客室とレジデンスのみを配し、レストランやプールなどは隣接するグランドハイアットと共有する計画でした。後にスターウッドが計画を引き継ぎ、独立したホテル&レジデンスにすることに。

パークハイアットは広々とした客室を60室のみ作るプランでしたが、スターウッドはそれを140室に変更。それでも最も狭い客室で60平米あるハイクラスのホテルとして、今年4月に開業しました。

このように計画が二転三転した影響で、レストランやプールの配置にかなり無理がある上、ひっそりとエクスクルーシブな環境が保たれているので、レストランだけを利用する目的でここを訪れる人はたいへん稀ではないかと思われます。

グランドハイアットからケラトンに宿を移って、連日この店で食事をしていますが、他のお客さんとはほとんど会いません。サービスはシンガポールのカペラのように至れり尽くせり。料理の味も、ジャカルタとしてはかなり洗練されています。こんないい店が暇だなんて、もったいないです。

席に着くと、一応メニューが差し出されますが、実際には担当の給仕との会話で、その時の気分や腹具合を伝えながら、料理のサゼッションを聞いて、注文を決めていくというスタイル。コミュニケーションを好まない人にとっては鬱陶しいかもしれませんが、これぞレストランの醍醐味を存分に味わえる雰囲気です。

とにかくインドネシア料理が食べたいと言って勧められた料理を日々味わってみました。昨日はこれこれだったから、今日はこちらはいかが?という感じで、前日の注文のこともよく覚えています。ほとんど客がいないからと言えなくもありませんが、それ以上にもてなしの気持ちがこもっているのだと思います。

正直、インドネシア料理の知識はほとんどゼロなので、説明を聞いても、現物をイメージできません。でも、だからこそ好奇心が湧きますし、想像したものと実際に運ばれてきたもののギャップを楽しむこともできます。

ガドガド。これは日本でも割とポピュラーですね。ほぼ野菜のみで作られています。

ムール貝をガーリックの効いたスープで。これは、パスタにしたらめちゃくちゃ美味しそうな味。

サテ。こちらもポピュラーですね。日本との違いは辛さ。激辛です。

大エビの酸っぱいスープ。タイ料理のトムヤムクンに似た感じ。

ごっついスペアリブ。ハチミツの甘さにエキゾチックなスパイス。リッチな味わいですが、量が半端ありません。本当に一人前?

ミーゴレン。これもメガサイズ。やはり辛口です。

お馴染みナシゴレン。またまたメガサイズ。3人前かという大きさです。

どれもこれも見た目はワイルドですが、街中の味とはかなり違って、かなり洗練されています。高級ホテルならではのサービスも、味わいを一層深めています。値段はジャカルタの他のホテルと比較しても2割くらい高い感じですが、その価値はじゅうぶんにあると思います。