ジャカルタの朝

インドネシア、ジャワ島北西、首都ジャカルタ、現地時間午前5時20分。わずかに靄がかった都市の空気が赤紫色に染まると、熱帯の一日が始まります。日曜日の午前中は、ジャカルタの中心部を貫くタムリン通りが歩行者天国に。時間になると、夜通し続いた車のクラクションが消え、急に静まり返ります。

そして現れるのは、夥しい自転車の波。国際的トライアスロンをはるかに凌ぐ圧巻の流れは、何時間も途切れることがありません。タムリン通りのロータリー中心には、グランドインドネシア前噴水があり、その更に中心には「歓迎」を意味するスラマダタンモミュメントが建っています。

周囲から噴水へ行くには、車道を横切るしかありません。歩道も地下道もなく、ふだんの交通量からすれば命がけの横断ですが、今日なら自転車をよけるだけで渡れます。

でも実のところ、ふだん車が多い時でも、あんがいふつうに渡れます。インドネシアの人々は、あまり先を急ぐ感じがなく、いつでものんびりと構えているようです。

いつもは車で埋め尽くされる道路も、今朝は露天商の天国に。食べものだけでなく、装飾品や雑貨など、いろいろなものが並び、お祭りのよう。

噴水の周囲では、靴を脱いで水と触れあう人たちの姿が。皆おだやかな表情でのんびり。目が合うと、誰もが自然な笑顔を返してくれます。

噴水を眺めながらくつろぐ子どもたち。シャボン玉を飛ばしているおじさんに群がったり、どこの国でも子どもたちは無邪気です。

さて、早めのブランチは、ホテルプールサイドのレストランで、インドネシアの代表料理ナシゴレンを。ボリュームたっぷり。本場の味は、日本よりもちょっとピリ辛でした。