かぞくランチ

連日の孤独な稽古は苦にならないにしても、弾くことばかりに偏ると、おおらかな広い気持ちで演奏することができなくなるかもしれません。気持ちを軽くするには、家族と過ごすのが一番。そう思って、かぞくランチに出掛けて来ました。

場所はデパートの食堂街にある、カジュアルなイタリア料理店。連日大賑わいの店に私好みの落ち着きはありませんが、安くて美味しいとの評判には間違いないようです。

家族でテーブルを囲み、きままな食事と他愛ないおしゃべり。どこにでもある当たり前の光景ですが、以前の私はこうした時間が苦手でした。

音楽家として中途半端な私を案じるがあまりに発する叱咤激励の言葉が、痛くて仕方がなかったからかもしれません。

でも、最近は自分の進みたい道を自分の言葉で語れるようになりましたし、実際、さほど心配を掛けずに済むようになりました。家族が心配しているのは、経済的なことではなく、私が幸せであるかどうかです。

迷いや不安は尽きませんが、今の私は自分が幸せだと胸を張って言えます。

気分もお腹も満足して帰宅し、すぐに稽古再開。出掛ける前より軽やかに、そして滑らかに演奏することができました。この波のまま、名古屋の本番を迎えられますように。