レジストレーションエディットと音楽稽古の関係

今日は、エレクトーンでクラシック音楽を演奏する場合における、稽古の進捗状況とレジストレーションエディットのタイミング的な関係についてお話しします。

エレクトーン演奏にとって、音色の組み合わせや状態のセッティング、すなわちレジストレーションデータの作成は、音楽性との双璧をなすほどに極めて重要です。

しかし、その扱いを誤ると、音楽性を台無しにするどころか、才能の開花を阻みかねないことは、これまでも繰り返し説明してきました。

エレクトーンでクラシック作品を演奏する時、まず最初に、オーケストラ用のフルスコアを基にしながら、エレクトーンで演奏できるよう、編曲をします。

この段階で、エレクトーンの特性や機能を十分に考慮して、完成形をイメージしながら編曲することが大切です。

編曲が終わったら、実際の演奏に使用するレジストレーションデータを作成し、続いて演奏の稽古に入ります。

実際に演奏を始めてみると、当初思い描いた理想の響きと違っていることが少なくないと思います。たいていの場合、ここでレジストレーションをエディットしてしまうようですが、これはおススメしません。

最終的には、レジストのエディットが必要になることがほとんどですが、この段階では、まだ時期尚早。それは、自分自身の技術がまだ完成形ではないからです。

理想の響きが得られなくても、しばらくは不十分なレジストレーションのまま弾き続けてみましょう。

タッチコントロールテクニックを上達させて、不都合をタッチでカバーすることが出来るようになるのがひとつの目的。

そしてもうひとつは、耳を順応させることが目的。気に入らないからといって、次々と音を試していくのでは、その音が持つ本当の魅力に気付くことができません。

それに、あれこれパラメータを変えていくうちに、逆に耳が変になって、どんな音にも満足できなくなる可能性があります。そんなドツボにはまらないようにするには、「よほど必要でない限り、いじらない」と肝に銘じることです。

では、どのタイミングでレジストレーションの調整をするのがベストなのでしょうか。

少なくとも、演奏レベルが完成形に限りなく近づくまでは、エディットしない方がいいと思います。自分の指で出来ることをすべて可能にしてから、それでも足りないところだけ、調整しましょう。

具体的には、目標とする演奏会やコンクールの本番1週間前程度。音の変化でうろたえない自信があるのなら、数日前で十分です。

こうしていれば、どんな環境にもうろたえず、常に自分自身の音をイメージしながら安定して演奏できるようになります。

レジストレーションは、言うなれば、内面を映し出すファッションのようなもの。そればかりがよく出来ていても、肝心な内面がお粗末では、むしろみっともないだけではないでしょうか。

まずは、音楽の本質を磨き上げることに専念してみましょう。そうすれば、おのずと適切なレジストレーションを作れるようになるはずです。