フィオレンティーナ 秋のランチ グランドハイアット東京

夜は美しいイルミネーションに彩られ、週末ともなれば多くの人で賑わう六本木ヒルズ。ところが、先週末は秋の嵐が暴れ、翌朝には道という道が吹き飛ばされた木の葉で覆われていました。

悪天候だったこともあり、ランチは滞在中のホテルで済ませることに。どのレストランも混み合う中、イタリアンカフェ「フィオレンティーナ」なら15分で席が用意できるとのことで、この店に決めました。

案内通り、15分以内に部屋に電話があり、明るく気持ちのいい声で用意が出来たという知らせ。すぐに店に向かうと、案内されたのは両隣を子ども連れに挟まれたベンチシート。あまり落ち着きませんし、私は快復期の風邪引きですから、子どもにうつしてしまうかもしれません。

周囲を見回すと、いくつかのテーブルに空きが出たところだったので、中央の孤立したテーブルを指して、あちらでもいいかと尋ねると、快くそちらに案内されました。

座るなり、すぐにテーブルセットが施され、キビキビと振舞う黒服の女性がメニューを差し出すという心地よいテンポ感。改めて店内を見ると、スタッフは全員女性です。

店の外にあるテラス席にも、多くのお客がいます。この悪天候なのにどうして?と不思議に思ったのですが、彼らの目的はどうやらタバコのよう。

さて、ランチのセットメニューは3種類で、シェフズランチ5,280円、フィオレンティーナアウトゥンノ3,960円、パスタまたはピッツァランチ2,640円。品数や内容も大きく異なり、その日の目的や空腹加減で選べます。

最初はピッツァのランチを考えていましたが、気分が変わってアウトゥンノ(秋)セットにしました。

まずは5種類の前菜。一口サイズですが、楕円形の皿にバランスよく盛り付けられています。

次はスープかパスタを選べます。私は本日のスープ、オニオンスープにしました。これにパンとチーズを載せて焼いたらオニオングラタンスープになるのでしょう。

メインディッシュは魚か肉をチョイス。チキンフィレのフリットを選びました。まぶしたホールウィートの香ばしさが印象的。さっぱりと、オリーブ、ケッパー、トマトがソース代わりに載っています。

ドルチェはマチェドニア、ティラミス、レモンのグラスの3種類盛り合わせ。

でも、私は別のドルチェに目を付けていたのです。ちょうど私の席から見えるテラスのお客が注文して美味しそうに食べていた、あれ。セットのドルチェがなんであれ、それを追加しようと心に決めたのでした。

メインディッシュの皿を下げに来た係に、「さっきテラスのお客さんが食べていたのはソフトクリーム?」と尋ねると、そうだと答えるので、それを追加するよう頼みました。

ところが、やがて運ばれてきたのは、ごくありきたりな、薄い紙のカバーが付いたコーンに盛られたソフトクリーム。これじゃない、これじゃない。ガラスの器に入って、葉っぱ型の飾りが付いてたけど。

それを聞いた係は、やっとピンと来た様子。改めて運ばれてきたのが、「フィオレンティーナ 秋のジェラート モンブラン 国産栗とヘーゼルナッツメレンゲ」1,430円です。ちなみに、ふつうのソフトクリームは495円だそうです。

ロビー階脇のカジュアルな店という位置づけですが、イタリア料理の味は本格的です。むしろ、リストランテ的な料理の方が得意なのではないかという印象もありました。

女性陣のサービスは個々に接する分にはとても快適なのですが、チームとして見ると違和感があります。そして、ホテルの品格にふさわしいとは思えない雰囲気を醸してしまっているのが残念。

その象徴が客への挨拶の仕方。あさっての方を向いて大きな声で、いらっしゃいませや、ありがとうございますの「短縮系」みたいな発音をされると、鬱陶しくて仕方ありません。

スタバやコンビニ、あるいは居酒屋を手本にしているのか、あるいは従業員がそういう店しか知らないからなのか。でも、ここは六本木ヒルズのグランドハイアットなのですから、品位を落とさないでほしいものです。