音とこころの散歩道

コンサートのプログラムを決める時は、いつもギリギリまで悩みます。弾きたい曲は決まっていても、それが当日の雰囲気やニーズにふさわしいかどうか、なかなか判断がつかないのです。

できるだけ聞き手の要望に応えたいという気持ちもありますが、求められるがままでは、新鮮な発見をお届けできません。

私がお届けしたいイメージは、客席にいながらにして、さまざまな風景や感情をさまよい歩くような感じ。

ある程度の筋道やストーリーを軸に曲を並べていくのですが、あまり知られていない曲も勇気を出して積極的に取り入れるようにしています。

実際のところ、よく知られた曲の方が圧倒的に反応がいいのですが、本当に聞いて欲しい曲は、むしろ目立たない存在だったり、あるいは難解だと感じるかもしれません。

でも、私のコンサートがきっかけでその曲を知り、後に大好きな曲になったと言ってもらえるのは、とても嬉しいことです。

街歩きに例えれば、ちょっと裏道を冒険して、新しい風景を発見するような感じでしょうか。多くの人に人気のある曲を愉しむばかりでなく、あなただけのお気に入りを見つけてもらえれば幸せです。