ラグジュアリーホテルのレストランは高い。そう感じている人は少なくないと思います。でも、よいレストランは値段以上の価値を届けてくれますし、あんがいお値打ちなメニューが数多くあったりもします。

今回もパークハイアット東京のレストラン「ジランドール」。昨年何度か登場しましたが、今日はこの店で一番安いディナーコースをご紹介します。

コースは5,500円と11,000円。両者の差は2倍もあります。特別な局面や相手であれば、奮発して高い方を頼みたくなりますが、日常の食事なら安い方で十分です。

今、ちまたのレストランでも、ディナーとなれば五千円程度は掛かりますが、洗練を極めたインテリアや雰囲気、卓越したインターナショナルなサービス、高品質な素材と確かな調理と、三拍子そろった店となると、五千円では難しいでしょう。

そう考えれば、パークハイアットで五千円台はお買い得。しかも、今は気の毒なほど店が空いているので、より丁寧なサービスを受け、ゆったりとした雰囲気を満喫するには絶好のチャンスです。

この日も、軽くサラダだけでもいいと思って店に入りましたが、きちんとクロスが掛かり、恭しくナプキンを広げて膝に置かれると、ついついご馳走を注文したくなってしまいます。

そして優雅な物腰で食前酒を勧められ、まんまと乗せられてしまいました。「梢」では国産ワインのプロモーションをしていましたが、こちらではロゼワインのプロモーション中。

1種類では飲み比べにならないので、2種類頼みました。ひとつはスッキリ爽やか。もうひとつはフルーティーでほのかな甘さ。色も違いますね。

さて、5,500円コースの内容は前菜、メイン、デザートの3皿。他に、アミューズ、パン、食後の飲み物が付きます。

アミューズは、サーモンを、ほんの、ほんの、ほんのひとくち。

前菜は、霧島豚肩肉のリエットと季節野菜のグレック ハーブサラダ添え。
パリのビストロを思い出します。

メインは、鮮魚、するめ烏賊、あさりのミネストローネ。テーブルでゲリトンサービスされ、見た目の演出も楽しめます。さっぱりとした味は初夏にぴったり。

残りのだし汁を厨房に持ち帰り、それでリゾットを作って出してくれます。

デザートは4種からチョイスでき、係が見本を持って説明をしてくれます。一番甘そうなプロフィットロールを選びました。３つのシューにはそれぞれ違うアイスクリームが入っています。仕上げに温かいチョコレートソースをかけて。

このコースなら1時間もあれば食べきれるので、あまり時間がない時、観劇やコンサートの前後にもぴったりですね。