2011計画、始動

年始に10日ほどの充電期間を持ち、体力的にも気持ちの上でもすっかりリフレッシュ。例年よりも遅くなりましたが、2011年の計画をすべてクリアするための本格的な活動が、昨日よりスタートしました。

12月29日のコンサートを終えて以来、まだ一度も触れていない鍵盤。これだけ長期にわたって稽古から遠のいていると、かなり腕が鈍っているのではないかと心配かもしれませんが、実際にはまったく影響がないばかりか、むしろ弾かない期間を置くことで深みが増すような気がします。

3日弾かないと、それを取り戻すのに3ヶ月掛かるという話をよく耳にしますが、それは迷信です。音楽的なテクニックは、初めて自転車に乗るプロセスによく似ていて、一度身につけてしまえば、よほどのことがない限り損なわれることはありません。

もし損なわれることがあるとしたら、それは稽古そのものが生ぬるかったから。誰かに後押しをしてもらっているのに、ひとりで乗れたような気になっていたのではダメ。しっかり体に染み込むまで転倒覚悟で習得したら、忘れたくても忘れないはずです。

また、音楽というのは技術だけで奏でられるものではなく、技と精神と肉体のバランスが大切ですので、長期にわたる消耗戦で精神的に疲弊した時には、しばらく弾かないという決断も必要なのです。

というわけで、私はまだ今年になって一度も鍵盤に触れていません。もうすぐ今年最初の演奏会がありますので、そのリハーサルまでは触らないつもりです。

楽器から離れている間は、自分自身の演奏を客観的に感じてみたり、今年は何を成し遂げたいかなど、演奏会が立て込んでいる時には考えられないことに、関心を向けていました。

そして昨日からは、その抱負を念頭に、ひとつひとつの演奏会について、具体的な計画を練り始めています。打ち合わせで人と会うことも多くなり、私の周りはにわかに活気づいてきました。

新しい出会いもたくさんありそうですし、私の人生観すら変えてしまいそうなチャンスにも恵まれそうな予感です。その中で、これまで得られた出会いと支えを大切に噛みしめながら、新しい一歩への勇気にしていこうと思います。

すべての機会に全身全霊で。そして、なにごともさりげなく。それが今の私の思いです。