岩手・秋田の10日間と東京の10時間

岩手県岩泉町からスタートした2010年東北学校巡回コンサートは、いよいよ今日の秋田市と潟上市の2回で終わりです。東北の雄大な自然にすっかり魅せられて溶け込んだ10日間でしたので、朝から立ち去り難い気持ちとなっています。東北滞在中はほとんどずっと青空でした。

本日1回目のコンサートは秋田市内にある秋田県立栗田養護学校。中等部にある体育館に到着した時には、すでにイスが並べてあり、あとは楽器をセッティングするだけの状態まで準備を進めておいてくれました。

しかし、体育館を横広に使う配置となっていたため、これだと音響面でアンバランスに聞こえてしまうことが予想されます。せっかくここまでしてもらったのに申し訳ないと思いながらも、縦長の配列にチェンジしてもらい、より多くの席でバランスのいい音が聞けるように工夫しました。

先日の横手養護学校でもそうでしたが、生徒たちは本当にリズム感がよく、演奏中に自然と手拍子が起こったり、もう踊りたくて仕方がないという雰囲気さえ伝わって来ました。

こんな風に音楽の躍動を思い切り共感できるなんて、私にはあまりない機会なので、とても楽しかったです。

午後からは潟上市の天王みどり学園へ。こちらも県立の養護学校で、実は昨年もこの学校で演奏しました。同じ学校に2年連続で訪ねるのは初めてのことです。昨年同様に、みどり学園の生徒たちだけでなく、近隣の追分小学校の3,4年生も招き、交流を兼ねたコンサートとなりました。

コンサートが始まって、「皆さん、昨年のことを覚えていますか?」と問いかけると、元気な声で「覚えてます!」と答えてくれました。中には初めて聞く子どももいますが、昨年と曲が重複しないよう、そして昨年以上に盛り上がるよう、選曲に思い入れを注ぎました。

そして、こちらの学校からはたってのリクエストがありました。みどり学園の生徒と追分小学校の生徒とで、一緒に歌を歌いたいというのです。曲はいきものがかりの「ありがとう」。この日のために伴奏の準備を整えて来ました。

子どもたちも皆立ちあがったところで、イントロを弾き始めました。歌の出だしに差し掛かり、最初の歌詞「ありがとう」の声が会場に響いた時、私は身震いするほど心を動かされました。張りがあって元気な声。そして頑是ないまっすぐな声。これまでに体験した最高の歌伴奏のひとつとなりました。

終演後はステージアをバラバラに解体し、10日間の汚れを丁寧に落として梱包。ステージアが向かう次の目的地は北海道・小清水町です。

私とスタッフは秋田空港へ。少し時間があったので、空港の売店でちょっとした探し物を・・・

ありました!

昨年、角館で見つけてお気に入りになったピリ辛かりんとう。そして、箱が懐かしさをそそる三平さなづら。秋田の思い出としてかばんに詰めて帰ります。岩手県の皆さま、秋田県の皆さま、今回のツアー中はたくさんの思い出とステキな体験を私にくれて、ありがとうございました。

東京に到着しても、滞在時間は10時間。次の目的地に向けて旅立つまで、少しだけ翼を休めたいと思います。