ヒルトン小樽 Deluxe Plus Room
Hilton Otaru
2008.09.10(水)
北海道小樽市
哀-1

部屋から見えるマリーナ
 
融通 ホテルオークラ札幌で手本となるような優れたサービスに触れた後、次に向かったヒルトン小樽ではどのような印象になるのか、楽しみでもあり、不安もあった。今回のように、連続して別々のホテルに滞在すると、どうしても比較してしまい、それぞれのよい点や悪い点が浮き彫りになる。

いずれのホテルが自分にとって快適かを見極めるにはいい機会だが、馴染みのあるホテルの欠点を実感させられるのはあまりいい心地はしない。北海道的に言えば「あずましくない」のである。

今回ホテルオークラ札幌は20年ぶりの滞在とあって、ほぼ初めて利用したようなもの。一方ヒルトン小樽は年に数回は利用しており、名前も顔も知れている。であれば、ヒルトンの方がより個人の好みに合ったサービスが提供されて当然であって、不自由なく安心して過ごせると期待が掛かる。

一方、利用回数の少ないホテルには新鮮さという強みもあり、多少の不便は仕方がないと諦めがつくという考えもある。要するにビギナーズラックだ。繰り返し利用すれば、それなりのサービスがあって当然だと客は大きく期待する。それに応えられないホテルは、リピーターを囲い込む資格はないということだ。

ヒルトンでのチェックインは快適そのものだった。オークラの礼儀正しさや奥ゆかしさとは違って、フレンドリーで快活なイメージだ。スタッフは進んで声を掛けてくれ、頼もしくも感じられる。部屋へ案内してくれるようだったが、荷物も少なかったので辞退した。

用意された客室はいつものフロアのオーシャンビュールーム。スイート以外はどのビューでもどのフロアでも部屋の仕様はほぼ同じである。広さは32平米で、それほど広くはないが窮屈さも感じないという、シティホテルのスタンダードをクリアしている。ベッドタイプはリクエストしていなかったので、今回はツインタイプが用意された。キングベッド1台の方がひとりで使うには都合がいいが、どうやら数が少ないらしい。

同じツインでも、2台とも正ベッドが入っているタイプと、3人利用を想定したハイダーベッドのタイプがある。それによって窓際に設置されたイスがソファになるかアームチェアになるかも決まってくる。今回はハイダーベッドの入った部屋だった。正ベッドのマットレスは厚さ6インチだが、ハイダーベッドの側は4インチしかなく硬い。ハイダーベッドを広げた時のためにスペースを空けてあるので、スタンドの位置など、部屋のレイアウトがアンバランスになっている。やはり、ここは3人で泊まる人たちが使うべき部屋のようだ。

爽やかな晴天だったので、窓を開けてみた。窓の両脇がわずかに押し開けられるようになっており、気持ちのいい潮風を感じることができる。そこに客室係がガーベラの一輪挿しを届けに来た。素朴なお母さんという雰囲気の女性で、ついでにランドリーを出そうとしたら、係が別にいるらしく戸惑っていたが、渡しておくと言って預かって行った。

2階のレストランにウェルカムドリンクを飲みに行った時のこと。ちょうどランチブッフェが終わったところで、客はだいぶ少なくなっていたが、係は片付けに追われていた。困ったことに入口に注意を払う係がいないのである。全員が片付けをしているわけではなく、残りの係は楽しそうにおしゃべりをしている。これは職務怠慢だ。席に案内してもらうには、そのおしゃべりの輪に割り込んでいくしかなかった。

注文したアイスコーヒーは底に向かってすぼんだグラスに入っており、氷ばかりでコーヒーは極少量だった。それではもの足りず、ちょうど散策に出掛けた運河沿いで、馴染みの喫茶店「小樽倶楽部」に入ってくつろいだ。古く素朴な建物は小樽の街並みによく溶け込んでおり、隅々まで清掃が行き届いた埃ひとつない店内はとても心地よい。

夕食はいつもの鮨屋で済ませ、部屋に戻ってからルームサービスでデザートを注文した。届くまでの間にバスタブに湯を張ろうと蛇口をひねったが、デザートが届けられてもまだ湯は一杯にならない。それだけカランの湯量が少ないということで、シャワーも同様。特に朝に浴びるシャワーが弱いと、気分がシャキッとしない。

朝食は早い時間から混み合っていた。案内の係に窮屈な席を勧められたので、中央でもいいから広い席にと言って替えてもらった。しばらくして窓際の広い席が空いたのでそちらにと気を利かせてくれたが、それは辞退した。

チェックアウトは11時頃を予定していたが、急に約束が入り、9時半過ぎに出発することになった。困ったことにランドリーが仕上がるのは10時である。だが、大抵はそれより少し早くホテルに届けられているはずだし、ちょっと急いでもらえないかと頼んでみたが、どうしても10時になってしまうと言う。融通が利かないのはホテルなのかランドリー店なのか知らないが、このランドリーは後で小樽の友人に取りに来てもらうことにした。

チェックアウト時、会計明細を見るとランドリーの料金が思ったより高かった。どうやら水洗いと指定したのにドライクリーニングに変更されたらしい。注意事項には「取扱表示に関わらず水洗いして下さい」と書き加え、署名までしているのに、これまた融通が利かない。やはりこういう場合は、勝手に変更する前に、確認してもらいたいものだ。

 
夜の室内 天井の意匠も工夫が感じられる 読書灯を点灯した状態のベッド

デスクやアーモア 窓際のシッティングエリア バスルーム

美しい朝焼け マリーナを望むレストラン レストランは天井が高く開放的

ロビー エントランスを入ったところ ノスタルジックな喫茶店「小樽倶楽部」

 ヒルトン小樽(公式サイト)
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