サンシャインシティプリンスホテルのマスカレードライブは、昼夜2回ともにエレガントな興奮に包まれる特別なひとときとなりました。
今年で3回目となるマスカレードライブは、お客様に洗練と文化を同時にご提供するというホテル元来の役割を取り戻すとともに、サブカルチャーの聖地として発展しつつも、文化拠点という意味では西口に活気を奪われている東口に、芸術の風を呼び込む意味を込めて企画されました。
ホテルというのは、本来なら、極めて居心地のよい場所です。しかし、時代とともに価値観は変化し、昨今のインバウンド需要もあって、優雅さは過去のものになりつつあります。
サンシャインシティプリンスホテルはも、開業から45年を経て、大きく変わりました。以前は、ロビーに広いラウンジもありましたし、宴会場、メインバーを備え、サンシャイン60の高層階にあるフレンチレストランも運営していました。
子供のころに親に連れられて訪れた時には、巷と大きく違う雰囲気に触れておおいにワクワクしたもので、そんな往時を知る者としては、昨今のさっぱりとしたイメージはちょっぴり寂しくもあります。
こうした背景もあり、私はマスカレードライブに、ルネッサンスにも似た深い思い入れがあるのです。
ホテルのマーケティング部を筆頭に、料理長やサービススタッフも総動員で協力しながら、現在の通常オペレーションでは行われていない工夫をたくさん盛り込み完成した一日限りのイベントですが、今のサンシャインシティに寄せられるイメージと、イベントの内容が一致しないこともあって、なかなかお客様に興味を持っていただけないのが悩みどころでした。
これが、高輪、箱根、軽井沢なら、また違ったのかもしれませんが、サンシャインシティで成功させたいとの思いがあり、最後まで諦めずにお声がけに励んだ結果、当日はちょうどいい人数のお客様にお集まりいただき、気持ちよくスタートしました。
いつもなら、私も食卓を回ってお客様に挨拶したりと、会場にいることが多いのですが、今回はその役割を上田に任せて、控室で体調を整えていました。今回は復帰後初の2回のフルステージですので、最後まで安定して演奏するための工夫が欠かせなかったのです。
食卓でのふれあいを楽しみにしていたお客様には愛想なしでご無礼いたしましたが、おかげさまで疲れることなく楽しく2回のステージを演じられました。
中井智彦さんとは、すでに気心知れており、どんなにブランクがあっても、必ず息を合わせる自信があります。それでも今回は事前にリハーサルの日を設け、一歩踏み込んだ完成度を目指しました。それが功を奏し、かつてない精度で、ディテールの隅々まで心の届いた演奏ができたと思います。
もはやミュージカルソングという扱いの域を出て、室内楽や歌曲を磨き上げるような感覚なのですが、それに追随できる力を持つ中井智彦さんは、実に素晴らしい。こうした探究にも、ぜひ意識を向けながら、幅広い活動をしてもらいたいですね。
楽しみ上手で粋なお客様ばかりでしたので、会場の雰囲気は最高にステキ。落ち着いた年齢層の方が多い中、若い方の姿が光っていたのも印象的でした。
終演後は、お客様を見送り、私は控室でボーッと余韻を味わいました。マネジャーは終電が早いので、ひと足先に帰し、文字通りひとりだけに。
会場は、翌朝には朝食営業があるので、急ピッチで片付けと準備が同時進行しています。その活気がまた心地よくて。
一杯の氷水を口にしながら、終わったけれど気は抜けない、すぐに次の準備に取り掛からなければと奮起しつつ、総支配人に見送られてホテルを後にしました。








