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2005.04.06.(水)

ラディソン都ホテル東京 Superior Twin Room
Radisson Miyako Hotel Tokyo
怒-3 忘れられて思い出させられるコト
アプローチの桜
最近、感じのよい対応をするようになった都ホテルのフロントだが、この日はちょっと様子が違っていた。そもそも、ここのフロントは係の数が少ない。さほど頻繁に混雑することがないのだろうが、多くの場合、2人か3人で対応しているので、短い列ができることはしばしばだ。チェックアウトが集中する12時頃には、比較的長い列ができていることもあるが、それでも4名以上の係がいるのを見たことはない。

この日、フロントカウンターには係がたった一人しか立っていなかった。しかも彼女は見習いのプレートを身につけていた。そこへ、チェックイン客がにわかに集中し、見る見るうちに行列になった。フロント係は慌てているが、不慣れなこともあり、なかなか列が進まない。

だが、ベルアテンダントは豊富に揃っていた。到着する客たちに、整列するよう声を掛け、荷物の手伝いを申し出ている。それも結構だが、誰一人としてバックヤードに応援を仰ぐ者はいなかった。なんと気が利かないことだろうかと思ったが、順番が回ってきた際の見習い係の丁寧で感じのよい対応に救われた。

チェックインを終えると、フロント前で見覚えのあるマネージャーとすれ違った。だが、彼とは目が合ったのに、こちらに気付くことなく立ち去ってしまった。彼と接したのは、10日ほど前のことだった。チェックインして入った客室に疑問があって係を呼んだ際、対応してくれたのだった。

このホテルの自慢のひとつは、快適な眠りを約束するスーパーベッドだ。シーリー社の最高級マットレスや、フレッテの200織シーツを使っていることをサイトにも、そしてベッドサイドに添えたカードにも謳っており、それを目当てにこのホテルを選ぶ客も少なくないはずだ。だが、その日用意された客室のシーツは、どう見てもフレッテのものでないばかりか、せいぜいアッパービジネスホテルクラスで使われるような目の粗いもののように感じられた。

確信はなかったが、自分の指先の感触を信じて、客室係に電話をしてみた。
「このホテルのベッドは、フレッテのシーツを使っているんですよね。」
「はい。全室フレッテを使っています。」
「どうも、肌触りが違うような気がするんですが、間違いありませんか?」
「間違いなく、すべてフレッテのものです。」
そう聞いても納得が行かなかったので、客室係に部屋まで来て見てもらうことにした。

電話では自信たっぷりだった客室係は、現物のシーツを見るなり、態度を翻した。実はキングサイズベッド用の数が足りずに、一部別の物を使っているのだと言う。発注は掛けているが、まだ届かないのだそうだ。ならば、初めからそう説明するべきだった。姑息にもまがいものをフレッテだと断言し、客を騙そうとした行為は許しがたい。裸で滑り込みたい滑らかさだと、テレビ番組でも自慢していたほどなのに、著しく品質の異なるもので代用するなどもってのほか。納品が間に合わないのなら、部屋を売らなければいいのだ。

客室係には責任者を呼ぶように伝えた。そして対応したのが、今しがたロビーで会ったマネージャーだった。シーツについては恥を知るようにと厳しく苦情を言ったが、低姿勢で対応した。30分以上は会話したと思う。それからわずか10日も経たないうちに、顔を忘れられてしまった。シーツのことは忘れようと思っていたが、ロビーで知らん顔されたことで、より強く印象づけられる結果となった。その後もほとんどの客室でフレッテの素晴らしいシーツが使われているが、ベッドの案内表示からフレッテの文字は消滅した。

この日利用した客室は、庭園側スタンダードフロアのスーペリアルーム。36平米のゆとりある室内は、ベッドからもソファからも、目線の高さに木々の緑が眺められ、都心にいながらにして森に囲まれた気分が味わえる。窓側に、リビングセットが置かれているが、ソフトリノベーションの後、ソファの置き方が妙になった。微妙にランダムな置き方をして、アクティブなイメージを演出しているつもりだろうが、単にだらしないようにしか見えない。シーツはフレッテだった。周辺では桜が満開。見応えがある。

目線に緑が映える6階客室 ランダムに置かれたリビングセット

[ラディソン都ホテル東京] 980815 000728 011110 020118 020329 020519 020927 021108 030505 030510 030524 030621 030728 031004 031111 031228 040401 040402 040407 040530 040904 041010 050225 050401

Y.K.