讃岐うどん

日本全国津々浦々訪ねまわる機会に恵まれながら、なぜか四国だけはこれまで縁がありませんでした。
地球の至る所に足を運んだのに、国内では四国だけが未踏の地。
この事実を認識したとたん、今度はむしろ「いかに四国の土を踏まないか」というゲームがスタートしたかのようになっていました。

もちろん、四国を避けてなどいません。
もし行くチャンスが到来したら、いさぎよくゲームの負けを認め、喜び勇んで四国へ向かうつもりでした。

いよいよその日が来たのは、昨年のこと。
岡山からマリンライナーに乗って、大きな橋をいくつもわたり、やがて線路際に「四国へようこそ」の文字を見たときには、
それはもう最後の楽園に到達した気分でした。

以前にも、四国をかすったことはありました。
客船「飛鳥」でのクルーズで、高知港に寄港した時のことです。
港への航路がせまいため、慎重に航行する大きな船体は、まさに堂々たる雄姿。
ただ乗っているだけの私なのに、まるで支配者になったかのような不思議な感覚に包まれました。

高知港では半日停泊したので、乗客の多くは高知観光のために下船しました。
ところが私は稽古と仕込みが控えていたため、乗客のいなくなった船内に残って楽器に向かっていました。

というわけで、四国上陸までわずか1歩のところで果たせなかったのです。

最近では2~3か月に一度は四国を訪ねますが、瀬戸内の穏やかな海を見る度に、心が穏やかになります。

そして、最近のお気に入りは、讃岐うどん。
実はうどんは好きではありません。
何といっても、江戸っ子ですから、麺は蕎麦と決まっています。
にもかかわらず、本場で食べるうどんには、格別の味わいがあります。
これこそご当地ならではですね。

今日は坂出駅構内にある「亀城庵」で“えびと揚げもちのぶっかけ”を食べました。

ほんのり甘いつゆが微妙に西洋的な風味でした。ワインでも使っているんでしょうか。

4月29日には宇多津で、四国で初のコンサートがあります。
詳細は近日中にお知らせします。